新盆 |
昨年末、私が体調に異変を感じた同じころ、札幌に住む義母が再入院したと連絡がありました。そしてひと月後、義母は天に召されました。痛がる体をずっとさする彼に、「もういいから」それが彼女の最期の言葉だったそうです。「きっと、もういいから奥さんの元に帰ってあげなさい。これからは、彼女のことだけ心配しなさいってことだったんじゃないかな?」彼は、そう言いました。もちろん、おかあさんに私の話はしていないのですが、私自身もそう感じています。
我が家に仏さまを迎え、初めてのお盆。キャビネットの上に、ささやかな祭壇を設えました。
「お盆って、何をすればいいんですか?」常識のない私たちは、友人に教わっていくつかの買いものをし、最後に迷って蘭の花を選びました。入院中、「たまにはお花でも送って頂戴。花は蘭がいいわ」と彼に催促したという、歯に衣着せぬ彼女らしいエピソードが忘れられなかったからです。他に彼女の好きなものを知らないから、私はいつも尋ねています。「おかあさん、肉じゃが作ったんですけど、お好きですか?」とか、「葡萄はキライですか?」とか。「おかあさん、おはよう。今日も暑くなるそうですよー」「おかあさん、お水替えますね」不思議なもので、私は今までで一番おかあさんと会話をしています。
おかあさん、来月にはお墓参りに行きます。待っていてくださいね。
かならず、蘭を携えて行きますから。
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